理容ミュージアム

マーセルアイロン

Marcel iron

この鉄製の道具は、フランスの理容師マルセル・グラトー(Marcel Grateau)によって1872年に発明され、大正時代に日本にも伝わった画期的なヘアスタイリングツールです。日本では、その名前から「マーセルごて」**とも呼ばれていました。

それまでの日本髪の主流だった結髪(けっぱつ)から、西洋的な断髪(だんぱつ)やウェーブヘアへと女性の髪型が変化していく、日本の理容史における転換期を象徴する道具です。

アイロンの先端を熱源(ガスやランプなど)で熱し、髪を挟んで熱を加えながら波状のウェーブを作ります。この技法によって作られる均一で美しい波型のウェーブは「マーセルウェーブ」と呼ばれ、当時のモガ(モダンガール)たちを中心に、大正から昭和初期にかけて大流行しました。

このマーセルアイロンは、現在の電気式ヘアアイロンの原型であり、日本の理容技術が伝統から近代へと移り変わる歴史を物語る、非常に価値の高い資料です。

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年代 大正~昭和初期
用途 整髪
分類 ヘアアイロン
寄贈者 坂口茂樹氏(長野)