理容ミュージアム

つげの櫛(黄楊櫛)

Boxwood Comb

日本髪を支えた「つげ櫛」とその仲間たち

この一連の櫛は、かつての理髪師や結髪師(髪結い)が、人々の髷(まげ)や島田などの日本髪を美しく結い上げるためだけに使われた専門性の高い道具群。

現代の櫛と異なり、これらの櫛には長く細い柄(え)が付いているのが特徴です。この柄は、髪の束を細かく分けたり、結い上げた髷の形を整えたりする際の細工棒としての役割を果たした。

職人の技術を支えた「つげ」の魅力

これらの櫛の多くは、緻密で油分を多く含むつげ材から作られている。

  1. 髪への優しさ: つげは静電気が起きにくく、髪を傷めずに梳かすことができ、結髪時の繊細な毛筋を正確に作り出した。
  2. 艶と潤い: 日常の手入れとして椿油を馴染ませることで、使うたびにその油分が髪に付着し、日本髪特有の濡れたような美しい艶を生み出した。

荒い目、細かい目、先端が尖った形状など、それぞれの櫛が日本髪の異なる工程(荒解き、鬢(びん)の張り出し作り、髱(たぼ)の仕上げなど)を担っていた。

この櫛セットは、ただ髪を整えるだけでなく、油と木材の特性を活かして「美」を創造する、当時の高度な結髪技術と道具へのこだわりを今に伝える貴重な資料。

タグ
年代 江戸時代後期~明治・大正時代
用途 日本髪を結い上げる際の、髪の荒解き、分け目作り、毛筋の形成、細部の仕上げ
分類
寄贈者 日本理容七和会